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笹塚一丁目東地区 地区計画策定業務

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笹塚一丁目東地区 地区計画策定業務

京王線笹塚駅より至近距離に位置する笹塚一丁目の東側エリアにおいて、渋谷区からの受託業務として2012~2014年度の三か年にわたり、地区計画策定に係る支援業務を行いました。住民参加型のまちづくり勉強会としてスタートし、地域の課題への対応策とすべく、まちづくりのルールを地区計画の案として取りまとめ、都市計画決定まで行いました。

環境の向上、地域の更新の後押しとなるような
地区計画の策定

笹塚地区は、環6と環7の間に広がるいわゆる「木賃ベルト地帯」と呼ばれる、木造の住宅やアパート等が密集し、細街路が多く防災上等の懸念も大きいエリアのなかに位置しています。笹塚一丁目東地区もまさにそうした状況を色濃く反映した、老朽化した建物も多い密集市街地となっています。

一方で、駅への至近性、新宿などへのアクセスに優れるなど、ポテンシャルは非常に高いにもかかわらず、古い住宅・アパート等のままになっているものが多く、立地等に見合った土地利用等がなされていない状況です。

そこで、地区内における良好な建替えを促進させながら都市再生を後押しすべく、笹塚一丁目東地区の地区計画では、大きく以下の2つを柱としています。

① 敷地の細分化の進行を抑えていくため、敷地面積の最低限度

② 街並み誘導型の地区計画
(細街路にしか面さない土地でも、斜線制限、容積率等について緩和も含めたコントロールを行っていくことで、建物の良好な建替えを誘導するタイプの地区計画)

なお、2015年の地区計画の導入後約6年が経過しましたが、①、②ともに効果を発揮しており、地区における建替えを通じた環境の向上、更新の後押しに寄与しています。

建て替えを通じた密集市街地における都市再生のモデルとして

「木賃ベルト地帯」における密集市街地は、東京23区内に10,000ha以上存在するとされています。こうしたエリアにおける、良好なかたちでの地域の更新を推進させていくためのモデルの構築は、東京における都市再生のテーマとしても重要な要素と考えられます。地区計画は、建替え等における計画面からのコントロールを行うもので、事業に直接関与するものではないことから、出来ることに限りはあるものの、小さなコストで広い範囲に効果を及ぼすことが出来る仕組みです。行政側のスタンスも大きくかかわってくることとなりますが、上手くこの仕組みの活用を行っていけば、都市再生を進めていくための有効な手段になり得るものと考えられます。